。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
ランチ兼おやつも堪能したし、と言うことであたしらは昨日行ったスーパーを目指すことに。
そこで夕飯の材料を買い出しして行こうと、言う寸法だったが…
「ふぁ…あたし眠いからちょっと寝るわ。運転は響輔に任せる」とキーをキョウスケに放り投げると、今度はさっさとイチが後部座席の奥を陣取り、すぐさま窓に顏を寄せ首を傾けている。
ち…ちょっとちょっとちょっと!!
それってつまり……
あたしと戒は思わず顏を見合わせて、二人して『サーっ』顏から血の気が失せて行くのが分かった。
キーを空中でキャッチしたキョウスケが特に異論もない様子で
「出発しますよ」と皆に働きかけ、何も知らないリコとキモ金髪が後部座席、イチの隣に落ち着き、次いでエリナ、千里が2シーター目に座る。残ったあたしと戒は、殆ど同じタイミングで拳を突き合わせた。
「「じゃんけん!!」」
あたしはチョキ。
戒はパー。
「嘘やん!!」戒は開いた手のひらをわなわなと震わせ、
「よっし!」あたしはそのままピースサインを作ったまま、素早く千里の隣に移動して、すでに運転席でシートベルトを締め終わったキョウスケが
「早くしてください、戒さん」と手招き…と言うか首根っこ掴まれて、戒はすでに魂を抜かれたようによろよろしながら何とか助手席に収まった。
「さ、朔羅…龍崎くん大丈夫?」とリコが後ろの席から心配そうに声を掛けてきて
「どうしてじゃんけんなんか」と千里もちょっと不思議そう。
「何か助手席が罰ゲームみたいじゃない」とエリナも苦笑。
「……あ…あははー」たぶん数分、いや数秒後にはここにいる誰もが『大丈夫』ではなくなり、そしてまさしくあの場所が『罰ゲーム席』だと言うことが分かるだろうが
パタン
戒が扉を閉めたところで、車はすぐに発車しだした。
その数分後
「ぎぃやぁああああ!」
「「キャァァ!」」
「ぅおぉををを!」
「し、死ぬぅううううーーー!」
猛スピードであちこちを走り抜けるワゴン車の中であたしたちの悲鳴がこだましたのは言うまでもない。