。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


今まで『あなた』だったのに…


「ちょっ!ちょっと待ってよお姉さん!」


とナンパ男の一人がイチの前に立ちはだかる。


「何よ」イチは冷たくギロリと睨むも、男たちは怯む様子もなく、むしろ興味が湧いてきたのかイチを覗き込み


「お姉さんすっげぇ美人すね!」とへらへら。


「俺、妹ちゃんの方がタイプ~」と肩に手を置かれそうになって(てか妹じゃねぇし)


気安く触んな!と拳を振りあげようとした所




「彼女たちに気安く触るな」




ナンパ男の手首をいつの間にかキョウスケが掴んでいて、あたしの気持ちを代弁してくれた。


手を掴まれたナンパ男はびっくりしたように目を開いていた。ナンパ男はキョウスケに掴れた手を乱暴に払おうとしたが、キョウスケの手はぴくりとも動かず、むしろさっきより力を入れたのか軽く捻りあげられた男が苦し気に呻き声をあげた。


「いいかクズども。俺は三度目は言わないからな。その汚い手で彼女らに触るな」


「な、何だよお前……」こっからはお決まりのパターンだな。


イチも呆れたように肩を竦め




「あたしの彼氏」
「あたしの兄貴」




あたしたちの声が重なって、キョウスケの無言の圧力もあってかトリプル攻撃のせいであっさりとやられたナンパ男たちはすごすごと帰っていった。


「何なのあれ」イチが腕を組み


「どこにでも居るんだよ、ああゆうタチの悪いナンパってのは」とあたしが言うと


「違うわよ。鏡見てから出直して来なさいって感じ、誰に声掛けてんのよ」


え?そっち!?



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