。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
ま、まぁ女優さまからしたら「頭が高い」て感じだろうが…
「響輔、何でどっか行っちゃうのよ」とその女優さまは彼氏に目を吊り上げている。
「あ、ごめん。主婦が怖くて」
キョウスケはあっさり認めて
しかし…はて…前にも聞いたな…リコやエリナ…あ、あと千里からも。
『あたしとイチが似てる』って……
逃げ去ったナンパ男たちの背を腕を組みながら眺めていると
「お嬢?」
と前を歩いていたキョウスケが振り返った。その腕にはイチの腕がべったりと絡まっている。キョウスケも最近じゃ振り払うことをしなくなった。きっと面倒なんだろうな…色々諦めたって言うか…
「どうされました」と無表情に聞かれ
「ううん、何でもない」あたしは慌てて二人の元へ歩み寄った。
てかあーゆうときに助けてくれるのって普通彼氏じゃない?
まぁイチにとっては彼氏だろうけど。
何で戒はこねぇんだよ。
そんなことを思いながら会計を済ませ、荷物をキョウスケに持たせてカートや籠を元に戻しているときだった。
ガシャン!
派手な音がしてカートがぶつかってきて、その衝撃でイチがよろける。
「キャァ!」
「一結!」
傾いた体を支えたのは言うまでもなくキョウスケで、しっかりとイチの肩を包みこんでいる。そのお陰で転ぶことはななかったようだ。カートがぶつかってきた方向を見るとさっきのナンパ男が三人お出迎え。
何か…これもお決まりのパターンじゃね?
「さっきはやってくれたな、かっこつけの兄ちゃん」とリーダ―格と思われる男が派手なハーフパンツのポケットに手を突っ込みながらキョウスケに因縁をつけてくる。完全なる逆恨みってヤツ??
まぁ確かにキョウスケは見るからにひ弱そうだけど。
おめぇら、誰に喧嘩売ってるんだよ…
「妹ちゃんはこっち来なよ」とあたしの肩に再びナンパ野郎の馴れ馴れしい手が置かれようとしたが、今度ばかりは黙っちゃいられねぇ。その手を払おうとしたと同時
ドンっ
鈍い音がしてナンパ男が前のめりに倒れてきた。思わずそれを避けると、同じようにチノパンのポケットに手を突っ込んだ戒が不機嫌オーラ駄々漏れで、どうやらナンパ男の背中に一蹴りかましたらしい。
「俺の彼女に何さらしとんや。いてまうぞ、ごら゛ぁ!」
なんてドスのある声で怒鳴れたら、流石に向かってくるヤツはいない。
だって戒…見た目は高校生なのに、どー見てもただの高校生に見えねぇし。
みっともなく逃げ帰るナンパ男の背中を見送ること本日二回目。
「だから言ったのに、三度目は無いって」
キョウスケが憐れなものを見るような目つきで同情さえ浮かべている。
まぁ?確かに?キョウスケの威嚇より戒の不機嫌寝起き(?)の方が100倍威力はありそうだからな~
てか戒、遅せぇよ!