。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
完全に通話を切ってケータイを折りたたみ、
「サンキュ。助かったぜ」と言い親父の手元に滑らせると、親父は額に手を置き頭痛でも堪えるかのように苦い顔。
どうやら、俺たちの会話のほとんどが初耳だったに違いない。
「くそっ!」
と怒鳴り、テーブルを拳で叩く。
「どうやら俺もあんたも、タチバナとアヤメさんに、“してやられた”ようだな」
と同情気味で言うと
親父はゆっくりと顔を上げ、険しい表情を浮かべると無言で立ち上がり、冷蔵庫から本日二本目のビールを取り出す。
「飲まなきゃやってられねぇよ。
“上”の考えてることはサッパリだ。お前が今日訪ねてこなきゃ、事件解決時まで知らされなかっただろうな」
深いため息を吐き、
「俺だってそうだ?“あいつら”には散々振り回されたからな。ある意味、同胞じゃね?」
と腕を組むと一ノ瀬の親父は力なく笑った。
「今更理解したよ、琢磨がお前を養子にしたワケが」
「アイツが俺を選んだワケじゃねぇよ?俺が力づくであの席を分捕ったんだ」
「だけどその力がなけりゃ、その席に座ることはできない。
椅子取りゲームに勝ったわけだ、お前は」
椅子取りゲーム……ね。
「まだ完全な勝利じゃねぇよ?」
完全な勝利
それは青龍会と白虎会の盃の話がまとまってからだ―――
それまでスネークを
片付ける。