。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
俺はTシャツの上に羽織っていたシャツを脱ぎ、その袖で額の傷を拭う。爆発の際にその爆風で煤もあちこち顔についてたみたいで、シャツは所々黒くなった。
はぁ……
俺は小さくため息。
「あの家がもぬけの殻やったら、俺が乗っ取ろうと思うたのに」
「乗っ取る…?何で」
と響輔が聞いてきて
「そら決まっとるやん♪俺と朔羅の愛の巣にするんや~♪」
と、答えると
「あっそ。殺人鬼の家ですよ?」と響輔は冷たい。
「んなこたぁ分かっとるわ。せやかて伊予原椿紀はカタギやろ?タイガが何もんか知らない可能性やってあるやろうし」
「まぁ……そうですが…」
「たまには響ちゃんに貸してやってもいいよ~♪一晩¥20,000でどうや~?」
「金取るんですか」と響輔は冷たい視線。
「そらそーだわ。金稼いでなんぼやろ?
えーやん、イチと新婚さんごっこでもしたら」
「¥20,000だったらラブホ行きますよ」
「そうだよな~…」
てか、お前何気にリアル爆弾より、すげぇ爆弾発言をさらりと言いやがって。
ま、イチとちゃんと付き合うって言ったし、付き合うってことは当然そーゆうこともあるわけで。
あの女、響輔に片思いしてたとき、こいつに色気で迫ってきたぐれぇだしな。キリさんとは違うエロさがあるし、今まで響輔が落ちなかったのが不思議なぐらいだ。
俺は無理。朔羅が居なかったら、すぐ手が出ちまう。
あのうまそうな美脚はヤバい。
「戒さん……」
「は?」
「考えてること駄々漏れです」
「は……」
ははは~…と笑おうと思ったが、
「ここで降りますか?」と響輔は空いていた左足で俺をドアに押し付ける。
行儀悪い……じゃなくて!
「前!前向いてや!!頼むからっっ!」
間一髪でタイガの攻撃から逃れられたが、最後の最後で響輔に殺されそうだ。