。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
そんな感じで、特に会話を交わすことなく暇な午前をやり過ごし、昼食に出された病院食を見て、またもげんなり。
一向に進まない箸を握っていると
コンコン
と、またもノックの音。
もういい加減期待なんてしないわ。
どうせ響輔じゃないもの。
響輔じゃ―――
「“コンコン”『はい、どうぞ~』」
と一人ごっこ??しながら入ってきたのは
響輔で……
てか何なのそれ。相変わらず意味不明。てかマイペース。
びっくりしたのと、いつも通りのワケがわからないペースに突っ込みたいのと、でも
嬉しかった。
「鴇田さん……来てたんですね」響輔は鴇田を目に入れると、ちょっと申し訳なさそうに頭を下げ
「いや、ちょうど俺も昼飯の時間だ。少し外す。
ちょうど良かった。イチの傍についててやれるか?」
と鴇田が腰を浮かせ、
「……はい」と響輔は控えめに言って、入れ違いに鴇田が出て行った。
響輔と鴇田は昨日、派手に喧嘩した二人とは思えない程いつも通り。
あたしは―――昨日の今日で妙に気恥ずかしい……
「一結に差し入れ持ってきてん。病院食やとあんた満足でけへんやろ?
ちゃんとドクターに了承得たから大丈夫やで」
と、挨拶もなしにベッドのテーブル……あの食事とか乗せるやつね…に、トンっと何かが入っている紙袋を乗せ、さっき鴇田が座っていたパイプ椅子に腰かける。
紙袋は、百貨店とかでも有名な惣菜ショップのロゴが入っていて、ガサゴソ言わせながら響輔は四角いお弁当の箱を取り出した。