。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
あたしはマイペースにお弁当を取り出している響輔をパチパチ目をまばたき、見ていて
「ここの店、結構うまいらしい。ユズさんが教えてくれて」
てかユズって誰??
また違う女?
と目をまばたいていると、あたしの疑問を読んだのか
「25歳、男。彼女なし。
戒さんのクラスメイトの女子に熱烈片思い中。
趣味:黒魔術」
と、スラスラ口にする。
虎間 戒のクラスメイトに片思い中ってところも充分突っ込みどころがあるけど、趣味が黒魔術って……ドン引きしていると
「俺も最初はドン引きしたで。あの人の部屋で呪いの藁人形見たときは。
けどな、あれ結構効き目あんねん」
と、響輔はマイペース。
「呪いの藁人形……?しかも効き目って、あんた誰に試したのよ!」思わず喚くと
「元気そうやな。良かった」と響輔はちょっと笑った。
「……う…うん、ありがと……」
素直になれなくて、あたしの言葉は変な風にくぐもった。
結局、呪いの藁人形を誰に使ったのかは知れず…
だけど、あたしの態度に気を悪くしてないのか、響輔はマイペースに自分の分のお弁当を開け、
「あんなー、松と竹と梅があってん。松と梅で700円も違ったんや」とマイペース。
「う……うん……」
「んで、梅にしたわ」
……
「ちょっとぉ!!そこケチるとこ!!相変わらず金の亡者ね!」キーっ!と布団の端をかじりながら引っ張ってると
「嘘。
嘘や、松やで」
響輔は俯きながら淡い微笑。
「ほんま、元気そうで良かった」
……うん
「ありがと」
素直に頷き、あたしも響輔から受け取った箸を手にした。