。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
何なのよ!
あたしは手近にあった枕を食事途中の響輔に投げつけてやると、響輔はお弁当を頭上に持ち上げながら器用に枕を避けて
「何なん!」と目を吊り上げた。
何なん、ってあたしが言いたいわよ!
バカみたい、あたし一人で盛り上がっちゃって。そのせいであたしはこんなことになってるって言うのに。
と考えて、すぐに
違う
と頭を振った。あたしがこんなことになったのは響輔のせいじゃない。
あたしが弱かった……
響輔に出会って、響輔を好きなって、その気持ちと比例するようにどんどん怖くなった。
最初は愛は奪うもの、ホンモノの愛なんて存在しないって言ったのに。
でも
違った―――
あたしは見つけたの。
本当の愛ってものを。
それは少しの衝撃でも簡単に壊れてしまう脆いものだけど、でもそれ以上にあったかい。
ママも鴇田に同じ想いを抱いたに違いない。
思わず俯いてると、響輔は頭の後ろを掻き
「ほんまは覚えてるけどな……」
え―――……?
「まぁ自分の言うたことぐらい自分で覚えてるし、責任も持ってるけどな。
なんや……こう……ね…」
と響輔が言葉を濁し、顔を背ける。
その白い肌が僅かにピンク色になっていて―――
「きょうす……」
“け”
と言い終わらないうちに、響輔の顔が近づいてきて、あたしの唇にそっと口づけ。