。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
触れるだけの優しいキス―――……
唇が離れていったけれど響輔の顔は離れていかず、あたしのベッドに腰を下ろすと、あたしの頭をそっと撫で
「今日んところは、これで堪忍」
こつん、と額を合わせて響輔の伏せた目の下、長い睫毛がその白い頬に影を作っていて
その頬はやっぱりほんのちょっとピンク色だった。
だけど響輔の顔は離れていこうとはせず、額を合わせたまま
「俺、付き合った女は大切にするさかい……」
付き合って……?
「俺がフられるまでは」
響輔が真剣に言って
「何それ、あたしがあんたをフるってこと…?」
そんなことないよ、と言う前に
「俺はフられ人生やからな~」と響輔がちょっと笑う。
「でも、最後にしたい。
誰かに恋するのも、誰かを愛するのも―――
一結が最後や」
それって……
顔を上げると
「誰かを好きになるの、結構エネルギーがいるねん。
疲れることもあるし、やめたい思うこともある」
………それは……あたしは、朔羅の代わりってこと……?
「でも、誰でもええとかそうゆんやなくて、
一結やから……
俺が守りたい、傍にいたいって思うたのが、一結やったから。
お嬢のことも大切やけど、あの人は強い。それに…俺が居なくてもすぐ傍で守ってくれるひとがいる。
でも一結は?誰が居んねん」
響輔―――……