。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「せやかて同情ちゃうよ?俺、面倒くさがりやし」
知ってるわよ。
「付き合うってことはその面倒な部分を乗り越えた大きな感情がないと無理や。
だから俺にとって一結は」
大きな感情を一結に抱いた、と響輔は口の中で呟き……
響輔―――……
顔を上げると響輔は無表情にじーっとあたしを見つめていて
「てか、あんた今日すっぴん?」
……
空気読め、このバカ男!
てか!!響輔が指摘した通りあたし、今日ノーメイクじゃない!
着てるのもそっけない病院着だし!
キャァ!
急に恥ずかしくなって、あたしは慌てて響輔の体を押し戻した。
「あ……あんまり見ないでよ!」と慌てて言ったけれど、響輔の体はうんともすんとも言わない。
それどころか、あたしの頬をそっと手の甲で撫でて
「何で?可愛えやん」
響輔が微笑む。
か、可愛い!?
「う、嘘つかないでよ!」
「さっきも言うたけど、俺自分の言葉に責任持ってるて言うたやん。
あんたの素顔は……いや、一結の素顔は
可愛えよ」
響輔の手の甲があたしの頬を優しく撫でる。
「俺、こー見えて結構独占欲、強いから。
せやから外であんま素顔見せんで?」
囁くように言われて
「う……うん!」と頷くと再びキスされて。
慣れない感覚にちょっとくすぐったくもあるけど、でも心がキュってなって
すごく
幸せ。
「でも……あれやな、一結が最後ってことは
俺の義理の父親が鴇田さんになるってことやろ?」
それって…結婚てこと!?うん、そうだよね!だって最後だもんね!あたしも響輔と結婚したい。
「う…うーん…まぁ?そうなるよね…♥」
「一波乱ありそうやな。体力温存せな、な」
響輔はボキボキっと手の関節を鳴らし、大真面目。
あたし今―――
幸せ?
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