クラゲの唄

私立夢ノ原学園、ここが今日から私が通う学園だ。




私は水瀬涙花。現在高校2年生。お父さんの転勤で東京に引っ越してきた。ただいま非常に緊張しております。なぜならそう、新学期が今日から始まるからだ。




『う〜ん、なじめるかな?』




不安に感じながら、校門を通り抜ける。




職員室に向かうと、優しそうな先生が出てきた。どうやら私の担任らしい。




『涙花さん、初めまして。担任になる松浦優子といいます。よろしくね。』




『水瀬涙花です。よろしくお願いします。』


 

松浦先生は下駄箱に案内してくれた。




『涙花ちゃんの場所はここよ。』




『ありがとうございます。』




『緊張してるでしょ?肩の力を抜いてね。そうそう、涙花さんはどこから来たの?』




『私は...』




『松浦先生〜!遅いから迎え来たよ〜!』




『その子が転校生?西村りさです。この子はあみ。よろしくね!』




『先生おっそ~い!早く早く〜!』




先生と話していると、クラスメイト?が迎えに来てくれた。りさちゃんとあみちゃんというらしい。りさちゃんはにっこり笑うと、手招きをしてくれた。




(うん、馴染めそうかな。少し安心した。)




『涙花さん、教室に案内しますね。』



と先生が言うと皆歩きだした。廊下がやけに長く感じる。




『先生はやく〜。』




と教室の方から声がした。声のしたほうを見ると、1人の男の子が顔を出していた。




そう、これが私と柚月の出会いだった。




ー息がとまってしまった。大きな茶色い瞳、通った鼻、形のいい唇...。なんて整った顔をしているんだろう。少し跳ねた髪の毛が朝日を浴びて瞳と同じ色になっている。
私は初めての一目惚れをした...。




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