恋人は社長令嬢
「悲しいっていうか、寂しいが正解かな。」

「そういう時は、彼氏に慰めてもらえよ。」

「無理なの。今は、会えないから。」

「何だよ、梨々香らしくねえなあ。」

「善…」

「会えないのに、会いに行っちゃうところが、梨々香だろ?」

善は、二カッと笑った。


一方、夜中ベッドに横になる瞬。

梨々香が泊まりに来るようになって、追加で買った枕。

一人で寝る時には、持ち主がいなくて、寂しそうだ。

「あ~あ。バカな事、言うんじゃなかった。」

意外と、自分の方がダメージが大きい。

そんな時、窓をコツコツ叩く音がした。


「何だ?泥棒か?」

瞬は警戒しながら、窓に近づいた。

そおーっと、カーテンを開ける。

相手と目が合った。

「うわああああ!!!」

「シッ!シッ!シィ~~~」

そう言われよく見ると、相手は梨々香ではないか!

「えっ…梨々香?」

瞬は、慌てて窓を開ける。

「へへへっ…来ちゃった。」

自分に抱きつく梨々香の体は、ひんやりしている。
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