恋人は社長令嬢
「いや……ちょっと、驚いただけ…」

「よかった。」

今度は瞬の正面に周って、思いっきりぎゅうっと、抱き締める梨々香。


「充電、充電。」

「梨々香…」

「今日は会うだけ。もう少ししたら、大人しく帰るから…ね。」

そんなふうに言う、梨々香がたまらなく可愛い。


そうだよな。

自分だけが、我慢してるわけじゃ、ないんだよな。


「俺も、充電しよ…」

瞬は、梨々香の頬に手を当てると、今までの会ってない時間を埋めるかのように、深い深いキスをした。


「なんだかんだ言って……問題ないじゃん、この二人。」

気を使って、ベランダの端に隠れる善だった。
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