恋人は社長令嬢
「手応えは、十分だったと思う。ツアーの宿泊先に入れてもらえるか、検討してくれるって。」

「さっすが、松森。」

瞬は、那々香に笑顔が戻ったのを確認すると、何気なく聞いた。


「課長からは、連絡あるか?」

那々香は、首を横に振った。

「そうか……」

北海道に行ってから、パッタリと連絡は途絶えた。

「どうしちゃったのかな。あれだけ松森の事、大切にしてた人が……」

「瞬……」

「いや、直接二人が付き合ってるところなんて、見た事はないんだけどさ。ああいうセリフを言うのは、なかなかできることじゃないと思うな。」

「うん……」

「何、時化た顔してんだよ、松森。課長が離婚したら、結婚するんだろう?」

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