恋人は社長令嬢
那々香は、首を横に傾けた。

「どうかな。」

「どうかなって……おい、松森?」

「連絡がないって事は、私との結婚、諦めちゃったのかもしれないしね……」

那々香は青い空を、見上げた。


「ああ~納得できない。」

瞬は、膝を叩いた。

「だって、この人と結婚するって決めて、すぐに心変わりするするかな?」

「事情があるのよ。」

「事情?」

「いくら深く愛し合っていても、言えない秘密があるのよ。」

瞬は、那々香をじっと見た。

「そんなの、寂しすぎるぞ。」

「そうね…」

「秘密なんてさ、言っちゃえばいいんだよ。」

「そうかもね。」
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