恋人は社長令嬢
「俺は梨々香に、どんな秘密を打ち明けられても、受け止める自信はある。」

那々香はフフっと笑った。

「それって、のろけ?」

「励ましてんの!」

「ありがとう、瞬。」

「当たり前だろ。俺達、同期で、仲間で、友達なんだから。」

瞬は、那々香の背中を軽く叩いた。


その日の夜、埜々香は珍しく、那々香の部屋をノックした。

辞書を借りる為だ。

「お姉様?」

何度声を掛けても、中からは返事がない。

「いらっしゃらないの?」

部屋のドアを開けると、ギィーっと開いた。


「どうしましょう。今すぐ、貸して欲しいのに。」

困っている埜々香の目に、暗闇に小さな光を見つけた。

「何かしら。」
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