恋人は社長令嬢
暗い中見に行くと、那々香の新しい携帯だった。

「もう~紛らわしい。」

埜々香が、部屋を出ようとして、振り返った時だ。

那々香の電話が鳴った。

「びっくりした~」

電話はしばらく鳴ると、止まった。

そして、部屋を出ようとした時も、電話は鳴った。

「そんなに掛けてきて……緊急な用事?」

埜々香は、いけない事だと思いながら、那々香の携帯を開いた。


不在着信、10件。

「ええ!お姉様、気付いてないのかしら。」

思わず、ボタンを押してしまう埜々香。

しかし、そこで埜々香は、とんでもないモノを見てしまった。

不在着信の相手は、全て同じ人物。

相手は、矢口 至。

あの、至からだったのだ。
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