恋人は社長令嬢
ジリジリと、二人に近づく至。

「瞬は、この子の名字が松森だって、知ってるんだろう?」

「当たり前じゃないか。付き合ってるんだから。」

「誰かと似てないか?《松森梨々香》って…」

「誰かと?」

「ほら、俺達の一番近くにいる女。」

「えっ?」

「社長に呼ばれた…」

「止めて!!!」

梨々香は、瞬の背中で叫んだ。

「梨々香?」

至をにらむ梨々香。


知っている。 

この人は、私達3姉妹の事を知っている。


「その様子だと、まだ言ってないんだ。」

「…そうよ。」

「へえ、すっげーおもしろい。なんだったら、俺から瞬に、話そうか?」

「結構よ。」

にらみ合う梨々香と瞬。

「えっ?何?」

瞬だけがぽかーんと、二人の間に立っている。
< 243 / 275 >

この作品をシェア

pagetop