恋人は社長令嬢
「なぜ、知っているの?」

「なぜね……俺、君のお姉達と仲良いからね。下のお姉さんから、偶然聞いたんだよ。」

「え?」

まさか、埜々姉……

「あのさ、さっきから二人の話を聞いてて、思ったんだけど…」

瞬が、恐る恐る手を上げる。

「お姉さんお姉さんって、梨々香の姉ちゃんの事?」

「ああ、そうだよ。」

至が答える。

「姉ちゃんが二人いる事は、俺も知ってるぜ?」

「じゃあ、名前は?」

瞬は、首をひねった。

「そういや、聞いてないな。」

至は、ニヤッと笑った。

「だったら、最高に笑う事になるぞ。」

「へっ?」

「なんたって、この子の姉妹は……」

梨々香は、咄嗟に目をつぶった。
< 244 / 275 >

この作品をシェア

pagetop