初恋+クッキー
「……やっぱり、あの子のこと考えてたせいだよな」
泥と汗で汚れたユニフォームから制服に着替え、俺はため息をつく。最後まで練習していたせいで、更衣室には俺一人だ。俺が更衣室の鍵を職員室まで返さないと……。
俺は鍵を閉めて職員室まで歩く。外は暗くなり始めていて、肌寒い。
「気をつけて帰れよ〜」
「はい、失礼しました!」
職員室を出て、俺は小走りに駐輪場へと向かう。これから三十分ほど自転車を漕がなければならない。
「あのっ!牧野くん!」
声をかけられ、俺は足を止める。この声を俺はよく知っている。だって入学式のあの時からずっと頭から離れることがなかったから。いつも耳を傾けていて、いつも目で追っていたから……。
「どうしたの?澤村さん」
こうして向かい合うのは入学式の時以来だ。時間が空きすぎて緊張する。やべえ、胸の高鳴りがいつもより激しい。何でだ?
「家庭部って五時くらいに終わったよね?家庭部の子が野球部の何人かにクッキー渡してた」
泥と汗で汚れたユニフォームから制服に着替え、俺はため息をつく。最後まで練習していたせいで、更衣室には俺一人だ。俺が更衣室の鍵を職員室まで返さないと……。
俺は鍵を閉めて職員室まで歩く。外は暗くなり始めていて、肌寒い。
「気をつけて帰れよ〜」
「はい、失礼しました!」
職員室を出て、俺は小走りに駐輪場へと向かう。これから三十分ほど自転車を漕がなければならない。
「あのっ!牧野くん!」
声をかけられ、俺は足を止める。この声を俺はよく知っている。だって入学式のあの時からずっと頭から離れることがなかったから。いつも耳を傾けていて、いつも目で追っていたから……。
「どうしたの?澤村さん」
こうして向かい合うのは入学式の時以来だ。時間が空きすぎて緊張する。やべえ、胸の高鳴りがいつもより激しい。何でだ?
「家庭部って五時くらいに終わったよね?家庭部の子が野球部の何人かにクッキー渡してた」