雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
兄の友人
「葉玖村ちゃん、やっほー!お邪魔してるよ!」
「………」
ーペコリ
家に着くと。
兄が言っていた通り、大平さんがいた。
私は笑って声をかけてきた大平さんにペコリとお辞儀だけした。
そして自室へ戻る。
「葉玖村ちゃん、相変わらずだねー」
「まあ、しょうがないよ。あいつはあのままでも充分いい方だよ」
………充分いい方?
全然よくない!
今日はクラスメイトの人と話しちゃったし。
この先どうしたらいいの!?
「怖いよ………お母さん………っ」
どうしようもない怖さに私の心は………。
「お母さん………!」
泣き叫んでいる。
なんでこうなってしまったの?
私は………ただ。
普通でいたかった。
ちゃんと話せて友達がいっぱいいる兄が羨ましかった。
私にはないものを………ほしいものをすべて持っていて………。
「………こんな私なんていらない」
そう思うだけで………いっぱいだった。