雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
あいつが小学二年生だった頃、俺はまだ「お兄ちゃん」って呼んでもらえていた。
その時までは感情がちゃんとあった。
毎日、楽しそうにしていた。

「お母さん、お父さん、お兄ちゃん!三人とも大好きだよ!!」

そういつも笑って言ってくれる葉玖村がとても愛らしかった。

「俺もだよ、葉玖村!!」

その時までは幸せだったんだよ。
雨の日でも楽しそうに笑って過ごしていた。
けど、小学二年生の終わりら辺で変わってしまった。
それは………母さんが亡くなったこと。
その日は雨だった。
葉玖村と母さんはお出かけしていた。
俺と父さんは家でのんびりと過ごしていた。
ところが。

「狛犬さんのご家族の方ですか!?」

「はい、そうですが」
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