雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
「大丈夫だよ、葉玖村っ!!」

「葉玖村………っ!!」

小さく震えて泣いている少女を力強く抱き締めた。
葉玖村はそれを感じとり、大声で泣き出した。
そしてその泣き声を聞いていたら、きっともう大丈夫だ、そう思てしまった。

「お母さん………っ!!」

次の日から葉玖村は笑わなくなった。
そして雨の日は怯えて、外に出るのを嫌がるようになった。
「お兄ちゃん」とも呼ばなくなった。
葉玖村から………全てが消えてしまった。
交通事故で娘を最後まで守りきった母さんの命は………想いは、葉玖村へと届いた。
けれども、葉玖村はそれを閉じ込めたままなんだ。


「葉玖村は笑わなかったよ。笑っていたとしても、全部が作り笑いだ」
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