雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
そう言ってニコニコと笑う私の兄・綴。
兄は私の一つ上。
私とは違って友達が多くて、人気者なんだ。

「そうかな?まあ………そんなのどうでもいいけどさ」

なんて私はそっけなく返す。
私は狛犬葉玖村、中学3年生。
一週間くらい前に3年生になった。
私は兄と違って友達が多くない。
いないって言った方が正しいかな?
人と関わるのが苦手で怖いんだ。
だからいつも一人でいる。
だけど本当は………。

「今日も雅が家に来るって。なんか出さないとだな」

「最近よくくるね、大平さん」

大平雅さんは私の兄の長年の友達であり、親友らしい。
私は親友とか友達がいないからわからない。

「雅、お前と話が合うみたいでさ!」

「私はなにもないと思うけど?」

話なんて………ただ本の話だと思うけど?
大平さんは本が大好きなんだって。
私も本が大好きなんだ。
だけどそんなに話さないんだけど………。
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