雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
そんな私がこういったことなんてなかった。

「え………っと、」

うまくまとめられない。
はやく言わなきゃ………言わなきゃ。
でもどうやって?

ーすっ

「ゆっくりでいいよ。狛犬のペースで………」

「っ」

私が言いたいことは………一つだけ。

「私………も言いたい。けど………まだ言えないから、待って………もらえますか?」

待っていてほしい。
どれだけ時間がかかるかわからないけど。
準備ができるまで待っていてほしい。

「いい………です、か?」

「………」

やっぱりダメなのかな?
そりゃ、そうだよね。

ーギュッ

私は目をつむった。

「いいよ」

「え………」

私はその言葉を聞いて目を見開いた。
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