雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
「お待たせー」

「遅いぞ、綴!もう俺、腹ペコ!はやく食べよう!!」

そう言って急かす雅さん。
慌てて席に座る兄。
私は手を合わせて「いただきます」と言った。
二人も同じようにしてから食べた。

「んー!!これめっちゃ美味しい!」

「うん!美味しい!!」

「ありがとう、二人とも」

兄と雅さんはうっとりとしながら、でも、ばくばくと食べていく。
雅さん………幸せそうでよかった。
私は心が温かくなった。
それが………なんだか気持ち悪い。
なんで………なのかはわからない。
けどそう思ってしまった。
嬉しいはずなのに………なんだか、心がざわついている。

「デザートも美味しいよ、葉玖村ちゃん!」

そう言って笑った雅さん。
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