雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
そういった彼女にちょっとホッとしていた。
よかった、自分から呼んでいないってわかって。
だけどなんだかちょっと複雑だった。
好きな子を盗られたような感じ。
だから思わず言ってしまった。

「俺にもそして」

わがままだって知ってる。
何も………悪くないんだよ、狛犬は………。
ただ俺が嫉妬しているだけで。

「?………結さん?」

そう呼ばれた瞬間、胸がトクンと跳ねた。
それと同時に熱が一ヶ所に集まって行くのがわかった。
俺は無言で顔を真っ赤にしているなんて知られたくなくて俯いていた。
だけどそんな俺の様子を心配していた狛犬はアワアワとしていた。
そして俺の顔を除き混んできた。

「結さ………」

「見るなよ、バカ………っ」
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