お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
仕方なく先に座って真帆は彼を待つ。お茶の列に並ぶ彼の背中を見つめながら真帆はなんだか罰ゲームのようだと思った。
周りの社員からの視線が痛い。
真帆は彼の秘書になってからまだ日が浅い。さらに言えば秘書室という空間はどちらかといえば閉鎖された場所でまだまだ社内で真帆が彼の秘書室に所属していることを知っている人は少数なはずだ。
それゆえに大部分の社員はあれは誰だ!?と思っているはずで、その中で彼が真帆の分もお茶を取りに行ってしまったのだから。
ほどなくしてお茶のコップを2つ持って蓮が戻ってきた。
「あ、ありがとうございます」
2人で手を合わせていただきますをしてから定食を食べはじめた。
真帆は初めて彼が食事をするところを見たのだけれど、とてもきれいな食べ方をする人だと思った。ついつい見とれてしまいそうになったけれど、次々にアジフライ定食を平らげていく彼に遅れてはならないと真帆も懸命に端を進めた。
ただでさえ蓮は忙しい身なのだから。そんな真帆の内心を見抜いたかのように蓮が箸を止めて言う。
「急がなくてもいい、いつもどおりゆっくり食べなさい」
「でも…」
「君の昼食に強引についてきたのは私だ。君のペースに私が合わせる。せっかく定食が好物だったんだ。味わって食べるといい」
真帆は頷いた。
周りの社員からの視線が痛い。
真帆は彼の秘書になってからまだ日が浅い。さらに言えば秘書室という空間はどちらかといえば閉鎖された場所でまだまだ社内で真帆が彼の秘書室に所属していることを知っている人は少数なはずだ。
それゆえに大部分の社員はあれは誰だ!?と思っているはずで、その中で彼が真帆の分もお茶を取りに行ってしまったのだから。
ほどなくしてお茶のコップを2つ持って蓮が戻ってきた。
「あ、ありがとうございます」
2人で手を合わせていただきますをしてから定食を食べはじめた。
真帆は初めて彼が食事をするところを見たのだけれど、とてもきれいな食べ方をする人だと思った。ついつい見とれてしまいそうになったけれど、次々にアジフライ定食を平らげていく彼に遅れてはならないと真帆も懸命に端を進めた。
ただでさえ蓮は忙しい身なのだから。そんな真帆の内心を見抜いたかのように蓮が箸を止めて言う。
「急がなくてもいい、いつもどおりゆっくり食べなさい」
「でも…」
「君の昼食に強引についてきたのは私だ。君のペースに私が合わせる。せっかく定食が好物だったんだ。味わって食べるといい」
真帆は頷いた。