お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「彼女は本当に小鳥遊家の令嬢なのでしょうか」
蓮はもう一つの疑問を口にする。
アジフライを好物だと言って、花が咲くような笑顔を見せた真帆。自分で作るとこんなにおいしくならないと口を尖らせていた。
蓮だって大学時代はよく学食に行ったのだから、アジフライくらい食べたことはある。けれどここ最近は久しく口にしていなかったメニューだ。たしかに美味しいと思ったが小鳥遊家のご令嬢の好物としては少々違和感を感じる。
いや百歩ゆずって人の好みはそれぞれだとして、自分で作るというのは…?
「小鳥遊会長とじいさんは唯一無二の親友だ。小鳥遊会長がいい加減なことをするはずがない」
そうだ、それは一条にも確認した。けれどどうしてもおかしい。何かがかけ違っている。
そんな気がしてならなかった。
「とにかく信じられんことだがお前が自分で話を進める勇気がないというのなら、じいさんから話をまとめてもらおう…」
「待ってください!」
今にも祖父に電話をかけそうな和正を蓮は慌てて止める。勝手に話を進められては堪らない。
「もう少し様子を見させて下さい」
「しかし…」
「一番大切にすべきは入江さんの気持ちです。あまり強引にことを進められてはまとまることもまとまりませんよ」
まるで商談のときのように蓮は和正を説得した。
しぶしぶといった様子で彼が頷いたことに安堵して残りのウィスキーを飲み干すと、ようやく腹が決まった。
直接、真帆と話をしよう。
蓮はもう一つの疑問を口にする。
アジフライを好物だと言って、花が咲くような笑顔を見せた真帆。自分で作るとこんなにおいしくならないと口を尖らせていた。
蓮だって大学時代はよく学食に行ったのだから、アジフライくらい食べたことはある。けれどここ最近は久しく口にしていなかったメニューだ。たしかに美味しいと思ったが小鳥遊家のご令嬢の好物としては少々違和感を感じる。
いや百歩ゆずって人の好みはそれぞれだとして、自分で作るというのは…?
「小鳥遊会長とじいさんは唯一無二の親友だ。小鳥遊会長がいい加減なことをするはずがない」
そうだ、それは一条にも確認した。けれどどうしてもおかしい。何かがかけ違っている。
そんな気がしてならなかった。
「とにかく信じられんことだがお前が自分で話を進める勇気がないというのなら、じいさんから話をまとめてもらおう…」
「待ってください!」
今にも祖父に電話をかけそうな和正を蓮は慌てて止める。勝手に話を進められては堪らない。
「もう少し様子を見させて下さい」
「しかし…」
「一番大切にすべきは入江さんの気持ちです。あまり強引にことを進められてはまとまることもまとまりませんよ」
まるで商談のときのように蓮は和正を説得した。
しぶしぶといった様子で彼が頷いたことに安堵して残りのウィスキーを飲み干すと、ようやく腹が決まった。
直接、真帆と話をしよう。