お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「…一条が言ったように、以前私の秘書室で秘書をしてくれていた何人かの女性社員が…その…私に特別な気持ちを抱いたと言って異動していった件があってね。その時も私は知らなかったんだが、社内では少し騒ぎになったらしい。それ以来なんとなく私の秘書室には男性しか入れていなかったものだから、私が君を連れていたことを大袈裟に面白がる者がいたんだろうと思う。それを予測できなかった私の責任だ。…すまない」
じっと真帆を見つめて蓮が言う。真帆はその瞳を吸い寄せられるように見つめていた。
社内のNo.2である彼が一社員である真帆にこんなことで詫びるなどあり得ないと思うのに、一方で彼はそういう人なのだと納得する。
だから私は彼を好きになってしまったのだと。けれどこの気持ちはなにがあっても彼に気づかれてはいけないと真帆は唇を噛む。今、彼の口から聞いたではないか、秘書が副社長に恋をしては仕事にならない。
「だ、大丈夫です!」
真帆は噛んだ唇を無理にあげて微笑みを作った。
「ちょっとびっくりしましたけど。みんな騒ぐだけ騒いだら、すぐに飽きますよ。わ、私と副社長が何かあるなんてありえないんですから…」
じっと真帆を見つめて蓮が言う。真帆はその瞳を吸い寄せられるように見つめていた。
社内のNo.2である彼が一社員である真帆にこんなことで詫びるなどあり得ないと思うのに、一方で彼はそういう人なのだと納得する。
だから私は彼を好きになってしまったのだと。けれどこの気持ちはなにがあっても彼に気づかれてはいけないと真帆は唇を噛む。今、彼の口から聞いたではないか、秘書が副社長に恋をしては仕事にならない。
「だ、大丈夫です!」
真帆は噛んだ唇を無理にあげて微笑みを作った。
「ちょっとびっくりしましたけど。みんな騒ぐだけ騒いだら、すぐに飽きますよ。わ、私と副社長が何かあるなんてありえないんですから…」