お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
一生懸命に言い訳のようなことを口にする真帆の言葉が終わらないうちにガタンと椅子を鳴らして突然蓮が立ち上がった。そして大きな机を回り込んでゆっくりと真帆の側へ歩み寄る。
「…?」
ぐんと近くなった距離に真帆の鼻先を少し甘い蓮の香りがくすぐった。
「…ありえない?…君はありえないと思うのか?」
男らしい眉を寄せて蓮が真帆に問いかける。射抜くような視線に真帆は思わずたじろいだ。
「あの…?」
まただ、と真帆の胸がコツンと鳴る。もう何度も不思議に思っては気のせいだと閉じ込めたこの疑問。
彼の謎かけのような言葉…。
「ふ、副社長…?」
真帆は怯む気持ちを奮い立たせて彼を見つめ返す。
その時ドアがノックされた。
「副社長…?会議のお時間です」
ドアの向こうで一条が呼びかける声がする。
ハッとしたようにそちらを見た蓮は今行くと応えてから、もう一度真帆を見た。
「入江さん、少し話をしたい。…なるべく早く。できれば今日の終業後、時間を取ってもらえるかな」
終業後…ということは内容は業務のことではないのだ。
なんとなく、なんとなくだけど、今まで不可解に思っていた彼の真帆への態度に関係があるような気がした。
「…わかりました」
真帆は彼の瞳を見つめたまま頷いた。
「…?」
ぐんと近くなった距離に真帆の鼻先を少し甘い蓮の香りがくすぐった。
「…ありえない?…君はありえないと思うのか?」
男らしい眉を寄せて蓮が真帆に問いかける。射抜くような視線に真帆は思わずたじろいだ。
「あの…?」
まただ、と真帆の胸がコツンと鳴る。もう何度も不思議に思っては気のせいだと閉じ込めたこの疑問。
彼の謎かけのような言葉…。
「ふ、副社長…?」
真帆は怯む気持ちを奮い立たせて彼を見つめ返す。
その時ドアがノックされた。
「副社長…?会議のお時間です」
ドアの向こうで一条が呼びかける声がする。
ハッとしたようにそちらを見た蓮は今行くと応えてから、もう一度真帆を見た。
「入江さん、少し話をしたい。…なるべく早く。できれば今日の終業後、時間を取ってもらえるかな」
終業後…ということは内容は業務のことではないのだ。
なんとなく、なんとなくだけど、今まで不可解に思っていた彼の真帆への態度に関係があるような気がした。
「…わかりました」
真帆は彼の瞳を見つめたまま頷いた。