お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「まぁ、何にせよ。これで社長の悩みの種が一つ減るならそれで良しじゃな」
石川が真帆ににっこりと笑いかける。真帆はどう答えて良いかわかないまま曖昧に微笑んだ。
「常務…、決まった話ではありません…。ただ…こちらの話がどうなるかわからないのに、他の話をお受けするわけにはいきませんと言ったのです」
なんだかいつもより歯切れが悪い蓮の言葉に、真帆は居心地が悪いような気持ちになった。
部下の前で恋人の話をしなくてはいけないという状況がいつもははっきりとものを言う彼をそうさせているのだろう。内心では真帆に早く出て行って欲しいと思っているはずだ。
真帆だってこんな話は聞いていたくなかった。今すぐにお盆を持って立ち去りたい。けれど石川がにこにこと真帆に話しかけているかぎりそれはできなかった。
「まぁ、いい。おめでたい話になったなら早めにおしえてくれよ。年寄りの楽しみだからな。よし、副社長が決まったら次は入江さんの話を探してきてやろう」
石川が相変わらずニコニコとして真帆を見た。
「わ、私ですか?」
真帆は思わず声をあげた。
まさか自分に話を振られるとは思わなかった。
石川が真帆ににっこりと笑いかける。真帆はどう答えて良いかわかないまま曖昧に微笑んだ。
「常務…、決まった話ではありません…。ただ…こちらの話がどうなるかわからないのに、他の話をお受けするわけにはいきませんと言ったのです」
なんだかいつもより歯切れが悪い蓮の言葉に、真帆は居心地が悪いような気持ちになった。
部下の前で恋人の話をしなくてはいけないという状況がいつもははっきりとものを言う彼をそうさせているのだろう。内心では真帆に早く出て行って欲しいと思っているはずだ。
真帆だってこんな話は聞いていたくなかった。今すぐにお盆を持って立ち去りたい。けれど石川がにこにこと真帆に話しかけているかぎりそれはできなかった。
「まぁ、いい。おめでたい話になったなら早めにおしえてくれよ。年寄りの楽しみだからな。よし、副社長が決まったら次は入江さんの話を探してきてやろう」
石川が相変わらずニコニコとして真帆を見た。
「わ、私ですか?」
真帆は思わず声をあげた。
まさか自分に話を振られるとは思わなかった。