お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「あ…私、…すみません」
力なく謝ると両肩に置かれていた手が真帆の肩を労わるようにポンポンと叩いてから離れた。
「藤堂さん、申し訳ありません。みっともない親子げんかを見せてしまいまして…」
「いえ、…私も母を病で亡くしていますから、真帆さんのお母様を心配する気持ちはよくわかります」
小夜子は少し涙ぐんで頷いて、真帆を見た。
「真帆ちゃん、本当にごめんね。今日はもう帰りなさい。…明日も来てくれる?」
「うん…」
もう子供じゃないなどと言いながら、子供みたいに癇癪を起こしてしまった自分が不甲斐なくて少し恥ずかしい。小夜子の言う通り、今日はもう帰った方が良さそうだと思い鞄を取った。
「帰り道、気をつけてね。心配かけたのはお母さんだけれど、こういう時は自分で思うほど冷静になりきれていないものよ」
病床の父に付き添った母の言葉はそれなりに説得力がある。素直に頷いた真帆の隣で蓮が口を開いた。
「真帆さんは私がお送りしますので、ご安心ください」
「副社長?!」
真帆は慌てて首を振る。
「そんな、大丈夫です!一人で帰れます」
力なく謝ると両肩に置かれていた手が真帆の肩を労わるようにポンポンと叩いてから離れた。
「藤堂さん、申し訳ありません。みっともない親子げんかを見せてしまいまして…」
「いえ、…私も母を病で亡くしていますから、真帆さんのお母様を心配する気持ちはよくわかります」
小夜子は少し涙ぐんで頷いて、真帆を見た。
「真帆ちゃん、本当にごめんね。今日はもう帰りなさい。…明日も来てくれる?」
「うん…」
もう子供じゃないなどと言いながら、子供みたいに癇癪を起こしてしまった自分が不甲斐なくて少し恥ずかしい。小夜子の言う通り、今日はもう帰った方が良さそうだと思い鞄を取った。
「帰り道、気をつけてね。心配かけたのはお母さんだけれど、こういう時は自分で思うほど冷静になりきれていないものよ」
病床の父に付き添った母の言葉はそれなりに説得力がある。素直に頷いた真帆の隣で蓮が口を開いた。
「真帆さんは私がお送りしますので、ご安心ください」
「副社長?!」
真帆は慌てて首を振る。
「そんな、大丈夫です!一人で帰れます」