お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
それなのに真帆の謝罪が聞こえているはずの蓮は、ハンドルにうつ伏せたまましばらく無言だった。
「あのー…、副社長?」
普段は見えない彼のつむじを不思議な気持ちで見つめながら真帆が再び声をかけると、突然蓮が顔をあげた。
そしてびくりと肩を震わせた真帆を睨んだ。
「だったらなぜそう言わない?あのとき聞いたじゃないか、本当なのかと!」
その蓮の剣幕に一瞬たじろいだ真帆だけれど、しばらくすると反発する気持ちがむくむくと湧き出るのを感じた。
口調は強くても今の彼からはあの時のような底光りするような得体の知れない怒りは感じない。
「ふ、副社長が、あんなに恐い顔で聞くからです!あれじゃあ、言えることも言えなくなります!」
真帆は頬を膨らませて反論した。
「それに…そこまで怒ることですか?確かに、常務に嘘をついたことは良くないですけど…」
「そうじゃないだろう!!俺は君が…」
言いかけて蓮は言葉を切る。
「いや…そうだな、そもそも…」
そしてそのまま口元に手を当てて考え込んでしまった。
そういえばあの日の朝、彼は真帆に話があると言っていたのだ。結局、それは原因不明の諍いのあとうやむやになってしまっていた。
真帆は、彼は真帆が知らない何かを抱えているのではないかと思った。
その正体を知りたい。
「あのー…、副社長?」
普段は見えない彼のつむじを不思議な気持ちで見つめながら真帆が再び声をかけると、突然蓮が顔をあげた。
そしてびくりと肩を震わせた真帆を睨んだ。
「だったらなぜそう言わない?あのとき聞いたじゃないか、本当なのかと!」
その蓮の剣幕に一瞬たじろいだ真帆だけれど、しばらくすると反発する気持ちがむくむくと湧き出るのを感じた。
口調は強くても今の彼からはあの時のような底光りするような得体の知れない怒りは感じない。
「ふ、副社長が、あんなに恐い顔で聞くからです!あれじゃあ、言えることも言えなくなります!」
真帆は頬を膨らませて反論した。
「それに…そこまで怒ることですか?確かに、常務に嘘をついたことは良くないですけど…」
「そうじゃないだろう!!俺は君が…」
言いかけて蓮は言葉を切る。
「いや…そうだな、そもそも…」
そしてそのまま口元に手を当てて考え込んでしまった。
そういえばあの日の朝、彼は真帆に話があると言っていたのだ。結局、それは原因不明の諍いのあとうやむやになってしまっていた。
真帆は、彼は真帆が知らない何かを抱えているのではないかと思った。
その正体を知りたい。