お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
彼が何を思って自分と接してきたのか、自分のことをどう思っているのか、すぐにでも知りたいと思った。たとえそれが自分の思う通りの結果を生まなかったとしても。
「全然、疲れていません。お願いです、今すぐ話して下さい!」
真帆は、肌触りのいいシャツがシワになるのも構わずに蓮の腕を掴んですがるように言った。車の中で2人きりという事実が、真帆の背中を押した。今聞いておかないともう二度と尋ねることができなくなる、そんな気がして。
蓮はそんな真帆を見て、少し逡巡していたが、やがて安心させるように頷いた。
「わかった」
真帆は胸を撫で下ろす。
どんな話かは知らないけれど、とにかくこの訳の分からない苦しさからは解放されるのだ。
そして次の蓮の言葉を待った。
けれどその時、ぎゅるるる~と、大きな真帆のお腹の音が静かな車内に響いた。
「あ…」
真帆は慌ててお腹を押さえる。
同時に蓮が吹き出した。
そしてそのまま、ハンドルを抱えて大きな肩を揺らして笑っている。
「だって、夜ごはん食べてないんだもん」
言い訳のような独り言を口にして真帆は赤い頬を膨らませる。
そして、蓮を睨んだ。
「先に、飯だな」
蓮が笑いながら言った。
「全然、疲れていません。お願いです、今すぐ話して下さい!」
真帆は、肌触りのいいシャツがシワになるのも構わずに蓮の腕を掴んですがるように言った。車の中で2人きりという事実が、真帆の背中を押した。今聞いておかないともう二度と尋ねることができなくなる、そんな気がして。
蓮はそんな真帆を見て、少し逡巡していたが、やがて安心させるように頷いた。
「わかった」
真帆は胸を撫で下ろす。
どんな話かは知らないけれど、とにかくこの訳の分からない苦しさからは解放されるのだ。
そして次の蓮の言葉を待った。
けれどその時、ぎゅるるる~と、大きな真帆のお腹の音が静かな車内に響いた。
「あ…」
真帆は慌ててお腹を押さえる。
同時に蓮が吹き出した。
そしてそのまま、ハンドルを抱えて大きな肩を揺らして笑っている。
「だって、夜ごはん食べてないんだもん」
言い訳のような独り言を口にして真帆は赤い頬を膨らませる。
そして、蓮を睨んだ。
「先に、飯だな」
蓮が笑いながら言った。