お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
定食屋で答えあわせ
時間は午後9時をまわっていた。
小夜子の入院で、食事どころではなかった2人だから話の前にまずは腹ごしらえをということになった。
なおも業務に戻らなくていいのかと尋ねる真帆を蓮は、
「君はそんなに私に仕事をさせたいのか、…一条に似て煩い秘書だ」
と言って黙らせた。
そして蓮が真帆を連れてきたのは、蓮の自宅の近くにある大衆居酒屋だった。
裏通りにあるだけあって庶民的な情緒が漂う居心地の良さそうなその店は昼間は定食屋らしく、夜もお願いすれば出してもらえると蓮は言った。
「夜に接待や会食がないときは大抵ここなんだ」
そう言って蓮が暖簾をくぐると店主夫婦と思わしき2人から笑顔で声がかかる。
「いらっしゃい!」
「あら、蓮くん!珍しい、女の子連れなんて」
親しげに下の名前で呼ばれている蓮に真帆が驚いていると、蓮が頭をかいた。
「学生時代から通ってるからね…。女性を連れてくるにはふさわしくないかもしれないけど、君なら気にいるかもしれないと思って」
そう言った蓮の視線の先にある壁に貼られたメニューを見て、真帆は目を輝かせる。
小夜子の入院で、食事どころではなかった2人だから話の前にまずは腹ごしらえをということになった。
なおも業務に戻らなくていいのかと尋ねる真帆を蓮は、
「君はそんなに私に仕事をさせたいのか、…一条に似て煩い秘書だ」
と言って黙らせた。
そして蓮が真帆を連れてきたのは、蓮の自宅の近くにある大衆居酒屋だった。
裏通りにあるだけあって庶民的な情緒が漂う居心地の良さそうなその店は昼間は定食屋らしく、夜もお願いすれば出してもらえると蓮は言った。
「夜に接待や会食がないときは大抵ここなんだ」
そう言って蓮が暖簾をくぐると店主夫婦と思わしき2人から笑顔で声がかかる。
「いらっしゃい!」
「あら、蓮くん!珍しい、女の子連れなんて」
親しげに下の名前で呼ばれている蓮に真帆が驚いていると、蓮が頭をかいた。
「学生時代から通ってるからね…。女性を連れてくるにはふさわしくないかもしれないけど、君なら気にいるかもしれないと思って」
そう言った蓮の視線の先にある壁に貼られたメニューを見て、真帆は目を輝かせる。