お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「場合によっては会社の窓口のような役割を果たすことさえあるのだ。だから秘書が汚らしい格好ではひいてはその秘書を置いている会社の品位に関わるということになる」

 真帆は神妙に頷いた。
 汚らしい格好とは少々心外だが、自身も沢山の秘書を使っているであろう大叔父の言うことはもっともだと思う。
 

「…わかりました、おじさま。美容院に行って髪を切ってきます」

「うんうん。わしは今の真帆でも十分に可愛らしいと思ってはいるが、若者の好みとは違うだろうからな。真帆はおしゃれをすれば、美咲にも負けないくらい可愛いからな、自信を持ちなさい。美咲に言っておくから一緒に行って、少し華やかにしてもらうといい」

 真帆のように真面目なだけが取り柄の女を美咲と比べるなんて酷なことをしないで欲しいと思ったけれど素直に頷いた。

「…それにしても、おじさま。募集しているのは若い方の秘書何ですか?」

「…どうしてそう思う?」

 義雄がゲジゲジ眉をあげて真帆に聞き返す。真帆は少し考えながら口を開いた。
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