お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「あ!アジフライ!」
「おっ!お嬢ちゃん、アジフライ好きなのかい?ここの自慢料理だよ」
小夜子が倒れてなんだか心細い気持ちになっていた今だからこそ一番食べたいメニューだった。
「奥の座敷、いいかな」
蓮が夫婦に断って奥の席に座る。真帆もあとに続いた。
「君がアジフライが好きだって聞いた時からいつか連れて来たいと思っていたんだ。俺は大抵野菜炒め定食だけどね」
注文を終えておしぼりで手を拭きながら蓮が微笑む。
社員食堂にいたときは異星人みたいに場にそぐわないと感じたのに、同じように大衆的な場所にいるはずの今はとても自然に見えるから不思議だ。
きっと彼が、この店が好きでとてもリラックスしているからだろうと思った。
そんな彼を見られることが嬉しかった。
「さっきから良い匂いで、お腹ペコペコです。早く食べたい」
真帆がお腹を押さえてみせると蓮は目を細めた。
「はやくしないとまた腹の虫が暴れだすな」
「ふふふ、言わないで下さい」
真帆は頬を染めてくすくす笑う。
けれどまたこんな風に蓮と話せることが嬉しくて少し涙ぐんでしまった。
もうこんな時間は過ごせないと諦めていたけれど、そのことに自分でも思った以上にダメージを受けていたようだ。
「おっ!お嬢ちゃん、アジフライ好きなのかい?ここの自慢料理だよ」
小夜子が倒れてなんだか心細い気持ちになっていた今だからこそ一番食べたいメニューだった。
「奥の座敷、いいかな」
蓮が夫婦に断って奥の席に座る。真帆もあとに続いた。
「君がアジフライが好きだって聞いた時からいつか連れて来たいと思っていたんだ。俺は大抵野菜炒め定食だけどね」
注文を終えておしぼりで手を拭きながら蓮が微笑む。
社員食堂にいたときは異星人みたいに場にそぐわないと感じたのに、同じように大衆的な場所にいるはずの今はとても自然に見えるから不思議だ。
きっと彼が、この店が好きでとてもリラックスしているからだろうと思った。
そんな彼を見られることが嬉しかった。
「さっきから良い匂いで、お腹ペコペコです。早く食べたい」
真帆がお腹を押さえてみせると蓮は目を細めた。
「はやくしないとまた腹の虫が暴れだすな」
「ふふふ、言わないで下さい」
真帆は頬を染めてくすくす笑う。
けれどまたこんな風に蓮と話せることが嬉しくて少し涙ぐんでしまった。
もうこんな時間は過ごせないと諦めていたけれど、そのことに自分でも思った以上にダメージを受けていたようだ。