お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「だってさっきからおじさま、若い人の好みって…。次の上司になる人がおじさまや茂木先生のような年齢の方なら今のままでもいいってことですよね」
義雄はうっと言葉に詰まって真帆から目を逸らした。
「真帆は意外と鋭いな…。その通りだ。社長であるわしの旧友の息子…はいい歳した親父だが、その息子が副社長をしておってな。確か…35歳だったかな。その者の秘書をすることになるだろう」
35歳なら真帆よりも10歳も年上だが、義雄からしてみれば赤子に毛が生えたものだろう。
それにしても35歳で副社長とは。御曹司ならばそれくらい当たり前なのだろうかと変なことに感心しながらそういえば会社名を聞いていなかったことに真帆は気がついた。
「おじさま、あのう…それでその会社のお名前をお聞きしてもいいですか」
真帆の質問に義雄があぁと思い出したように言って立ち上がるとキャビネットから一枚の名刺を取り出して真帆見せた。
真帆が茂木の事務所で滅多に使わないけれど一応といって作ってもらった名刺とは違い、明らかに高級な材質でできたそれを見て真帆は目を見開いた。
義雄はにっこりとして口髭を揺らした。
「会社案内代わりに社長の名刺をもらってきた。藤堂不動産リアリティ株式会社の藤堂蓮(とうどうれん)副社長じゃ。真帆も名前くらいは聞いたことがあるじゃろう?」
義雄はうっと言葉に詰まって真帆から目を逸らした。
「真帆は意外と鋭いな…。その通りだ。社長であるわしの旧友の息子…はいい歳した親父だが、その息子が副社長をしておってな。確か…35歳だったかな。その者の秘書をすることになるだろう」
35歳なら真帆よりも10歳も年上だが、義雄からしてみれば赤子に毛が生えたものだろう。
それにしても35歳で副社長とは。御曹司ならばそれくらい当たり前なのだろうかと変なことに感心しながらそういえば会社名を聞いていなかったことに真帆は気がついた。
「おじさま、あのう…それでその会社のお名前をお聞きしてもいいですか」
真帆の質問に義雄があぁと思い出したように言って立ち上がるとキャビネットから一枚の名刺を取り出して真帆見せた。
真帆が茂木の事務所で滅多に使わないけれど一応といって作ってもらった名刺とは違い、明らかに高級な材質でできたそれを見て真帆は目を見開いた。
義雄はにっこりとして口髭を揺らした。
「会社案内代わりに社長の名刺をもらってきた。藤堂不動産リアリティ株式会社の藤堂蓮(とうどうれん)副社長じゃ。真帆も名前くらいは聞いたことがあるじゃろう?」