お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
美咲の種あかし
「ふふふ、案外バレるのが遅かったのね」
表参道のカフェで、通りに面した席に座り、キラキラとした初夏の日差しを浴びる美咲はフッション雑誌から抜け出して来たように素敵だと真帆は思った。
いつもどんなときも彼女は真帆の憧れの存在だ。でも今日は少し憎らしい。
「どうして黙ってたの?いくら姉さんでもひどいよ」
真帆は、口を尖らせて美咲を睨んだ。
「だって真帆、知ってたらオッケーしなかったでしょう?」
悪びれることなく、美咲はアイスティーのストローで琥珀色の氷をかき回して微笑んだ。
「そんなの当たり前だよ。お見合いなんて私…私は就職したかったの!」
外の席を選んでよかったと、真帆は思った。ちょっとくらい大きな声を出しても街の喧騒に紛れて目立たない。
「そんなに気負うことないのよ。おじいさま達のちょっとしたふざけ合いみたいなものだから」
なんでもないことのように美咲は肩をすくめて言った。
「あちらのおじいさまとうちのおじいさまが仲良しなの。よく嘆いてらしたらしいのよ、孫が全然結婚しない上にお見合いも断るって。おまけに仕事も忙しくて出会いもなさそうだって。じゃあ出会いを作ればいいじゃないって秘書室に女性を送り込むことを思いついたそうよ。それでまず私に白羽の矢が立ったってわけ」
表参道のカフェで、通りに面した席に座り、キラキラとした初夏の日差しを浴びる美咲はフッション雑誌から抜け出して来たように素敵だと真帆は思った。
いつもどんなときも彼女は真帆の憧れの存在だ。でも今日は少し憎らしい。
「どうして黙ってたの?いくら姉さんでもひどいよ」
真帆は、口を尖らせて美咲を睨んだ。
「だって真帆、知ってたらオッケーしなかったでしょう?」
悪びれることなく、美咲はアイスティーのストローで琥珀色の氷をかき回して微笑んだ。
「そんなの当たり前だよ。お見合いなんて私…私は就職したかったの!」
外の席を選んでよかったと、真帆は思った。ちょっとくらい大きな声を出しても街の喧騒に紛れて目立たない。
「そんなに気負うことないのよ。おじいさま達のちょっとしたふざけ合いみたいなものだから」
なんでもないことのように美咲は肩をすくめて言った。
「あちらのおじいさまとうちのおじいさまが仲良しなの。よく嘆いてらしたらしいのよ、孫が全然結婚しない上にお見合いも断るって。おまけに仕事も忙しくて出会いもなさそうだって。じゃあ出会いを作ればいいじゃないって秘書室に女性を送り込むことを思いついたそうよ。それでまず私に白羽の矢が立ったってわけ」