お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
副社長、藤堂蓮の憂うつ
藤堂不動産リアリティ株式会社は業界最大手のデベロッパーである。本社は都内の一等地、自社ビル。その最上階の副社長室で藤堂蓮(とうどうれん)は憮然として秘書の一条貴(いちじょうたかし)は話を聞いていた。
毎朝恒例のその日のスケジュール確認である。
藤堂と同じ歳の一条は大学時代からの付き合いだ。シルバーの眼鏡を冷たく光らせて、いつも通り滞りなくスケジュールを確認している一条を胡散臭い目で睨んでいると眼鏡の奥の瞳と目が合った。
「…副社長、どうかされましたか」
白々しい、と蓮は舌打ちをした。
「一条、俺に隠していることがあるだろう」
不機嫌に問いかけるとこれまた白々しく一条が首を傾けた。
「…秘書室に時期外れの異動があるそうじゃないか」
毎朝恒例のその日のスケジュール確認である。
藤堂と同じ歳の一条は大学時代からの付き合いだ。シルバーの眼鏡を冷たく光らせて、いつも通り滞りなくスケジュールを確認している一条を胡散臭い目で睨んでいると眼鏡の奥の瞳と目が合った。
「…副社長、どうかされましたか」
白々しい、と蓮は舌打ちをした。
「一条、俺に隠していることがあるだろう」
不機嫌に問いかけるとこれまた白々しく一条が首を傾けた。
「…秘書室に時期外れの異動があるそうじゃないか」