お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「お母さまに付き添うなら、今日は休んでもよかったのに」
エレベーターのドアが閉まると同時に蓮が真帆を見た。真帆はオレンジ色に光る最上階のボタンを見つめながら首を振った。
「大丈夫です。病院でゆっくりと休んだら随分と顔色も良くなりました。あとは精密検査のための入院で、ずっとついていないといけないような感じでもないですから…それより…」
真帆は、背の高い蓮を見上げて頬を染めた。
「日曜日に、小鳥遊の方の又従姉妹に会ってきました。大叔父は忙しくして会えませんでしたけど、…その、私の就職について事情を知っている従姉妹です」
蓮が頷いた。
エレベーターの中もエアコンが効いているはずなのに、真帆の頬がかぁっと熱くなる。
「…ふ、副社長のおしゃる通りでした。本当はその従姉妹がお見合いをするはずだったみたいですが。つ、都合が悪かったみたいです。それで私に…あの…申し訳ありませんでした」
蓮がぴくりと右の眉をあげた。
「なぜ謝る?」
聞き返す蓮の声音に、詰るような響きを感じて真帆はうつむいた。それでも、胸の中にある気持ちをはっきりと口にする。
「だって…私は小鳥遊家とは血がつながっているだけの普通の家庭の出身です。副社長のお見合いの相手としては、あまりふさわしくないような気がします」
真帆の言葉に、蓮は眉を寄せた。
エレベーターのドアが閉まると同時に蓮が真帆を見た。真帆はオレンジ色に光る最上階のボタンを見つめながら首を振った。
「大丈夫です。病院でゆっくりと休んだら随分と顔色も良くなりました。あとは精密検査のための入院で、ずっとついていないといけないような感じでもないですから…それより…」
真帆は、背の高い蓮を見上げて頬を染めた。
「日曜日に、小鳥遊の方の又従姉妹に会ってきました。大叔父は忙しくして会えませんでしたけど、…その、私の就職について事情を知っている従姉妹です」
蓮が頷いた。
エレベーターの中もエアコンが効いているはずなのに、真帆の頬がかぁっと熱くなる。
「…ふ、副社長のおしゃる通りでした。本当はその従姉妹がお見合いをするはずだったみたいですが。つ、都合が悪かったみたいです。それで私に…あの…申し訳ありませんでした」
蓮がぴくりと右の眉をあげた。
「なぜ謝る?」
聞き返す蓮の声音に、詰るような響きを感じて真帆はうつむいた。それでも、胸の中にある気持ちをはっきりと口にする。
「だって…私は小鳥遊家とは血がつながっているだけの普通の家庭の出身です。副社長のお見合いの相手としては、あまりふさわしくないような気がします」
真帆の言葉に、蓮は眉を寄せた。