お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
 花形と言われる営業課や企画課をはじめ外部に向いて仕事をする部署の人間が、総務課に対してぞんざいな扱いをするというのは珍しいことではないのかもしれない。

「備品の記録簿もきちんと記入してくれるし、管理にだって協力的です。シュレッダーゴミだって、持ってきてくれたこともあるじゃないですか!…もちろんあれは私たちの仕事ですから、呼んでくれればそれでいいんですけど…やっぱり嬉しかったです。私5年総務にいますけど初めてだったですからね、あんなことは。それどころか他の課は、ほんっとぉーに袋が満杯になるまでおしえてくれないんです。満杯になったシュレッダーゴミを開けたときの惨事たるや…!」

 彼女の勢いに圧倒されながらも、真帆は頷いて、くすくす笑った。

「大変なことになりますよね。私、前職は小さい職場で…雑務はなんでもしましたから、よくシュレッダーで真っ白になっていました」

 ゆかりが嬉しそうに声をあげて笑う。
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