お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
たしかに今、真帆は絶賛転職活動中である。
3年間事務員として勤めてきた法律事務所の弁護士の先生が老齢のため数ヶ月先に廃業することが決まっているからだ。けれど実際にはまだ残務処理としての仕事があるし、ある程度の貯蓄もある。きちんと勤め上げてから、次を探そうと思っていただけでまだ別に焦っているわけでもないのだ。
「でもぉ」
小夜子は口を尖らせる。
そんな仕草は彼女を歳よりもはるかに若く見せる。おっとりとした物言いがなんとなく様になってしまうのは小夜子がお嬢様育ちだからだ。
「真帆ちゃん、次のあてはあるのって聞いたら全然ないって言ってたじゃない。心配になっちゃって…」
小夜子の言葉に真帆は記憶をたぐり寄せる。数週間前の母との会話が思い出された。
(そういえばそんな話をしたような…。だからって本人に断りもなく乱暴だなぁ)
3年間事務員として勤めてきた法律事務所の弁護士の先生が老齢のため数ヶ月先に廃業することが決まっているからだ。けれど実際にはまだ残務処理としての仕事があるし、ある程度の貯蓄もある。きちんと勤め上げてから、次を探そうと思っていただけでまだ別に焦っているわけでもないのだ。
「でもぉ」
小夜子は口を尖らせる。
そんな仕草は彼女を歳よりもはるかに若く見せる。おっとりとした物言いがなんとなく様になってしまうのは小夜子がお嬢様育ちだからだ。
「真帆ちゃん、次のあてはあるのって聞いたら全然ないって言ってたじゃない。心配になっちゃって…」
小夜子の言葉に真帆は記憶をたぐり寄せる。数週間前の母との会話が思い出された。
(そういえばそんな話をしたような…。だからって本人に断りもなく乱暴だなぁ)