お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
昨日、普段は会社の近くで一人暮らしをしている蓮に、社長であり父親でもある藤堂和正(とうどうかずまさ)から話があるから実家に寄るようにという連絡が入った。蓮はそれを、やや憂うつな思いで受けた。
ここ最近の父親との会話は、業務のことを除くと概ね一つの話題に絞られる。
蓮の結婚のことだった。
世代間ギャップか、はたまた個人の価値観の違いか、35歳になる蓮が未だ独身を貫いていることは父にとっては理解し難いことらしい。
やれ、亡くなった母さんが泣くだの、わしはお前の歳にはもうお前は小学生だっただのと繰り返し言われ続けるのには慣れたが、鬱陶しい気持ちは変わらなかった。
蓮とてべつに独身主義者ではない。今までも女性との付き合いはそれなりにあったし、それを楽しんでもいた。けれどどの女性にもずっと生活を共にするほどの気持ちを抱けないでいて、どうにも結婚には踏み切れないでいるうちにこの歳になってしまった。
そして2年前に副社長に就任してからは将来の社長としての責務を負うべく邁進する日々で、親しく女性と付き合うこともなくなった。
ここ最近の父親との会話は、業務のことを除くと概ね一つの話題に絞られる。
蓮の結婚のことだった。
世代間ギャップか、はたまた個人の価値観の違いか、35歳になる蓮が未だ独身を貫いていることは父にとっては理解し難いことらしい。
やれ、亡くなった母さんが泣くだの、わしはお前の歳にはもうお前は小学生だっただのと繰り返し言われ続けるのには慣れたが、鬱陶しい気持ちは変わらなかった。
蓮とてべつに独身主義者ではない。今までも女性との付き合いはそれなりにあったし、それを楽しんでもいた。けれどどの女性にもずっと生活を共にするほどの気持ちを抱けないでいて、どうにも結婚には踏み切れないでいるうちにこの歳になってしまった。
そして2年前に副社長に就任してからは将来の社長としての責務を負うべく邁進する日々で、親しく女性と付き合うこともなくなった。