お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
 キスの余韻が抜けてくれず少しぼんやりとしたまま真帆は蓮を見つめる。

「そう。君はどうも俺と付き合っているという自覚がないようだ。俺にとって最良の休日の過ごし方は君と過ごすことだ。普通の恋人同士ならそうだろう。真帆は違うのか?」

 真帆はぶんぶんと首を振る。
 もちろん違わない。
 もっと二人の時間を持ちたいという気持ちは、真帆の中に確実に存在する。けれど普通の人よりも忙しい彼だから、それは願ってはいけないという思いで真帆はそれを胸に閉じ込めている。
 真っ赤に染まる真帆の頬を蓮の大きな手が撫でた。そしてふっと笑った。

「行き先の希望がないなら俺が決めよう。真帆が成長できるように、週末のデートでは俺の恋人になったということをしっかりと実感させてやる。覚悟してろ」
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