お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「…宇宙船に乗っているみたいですね」
結局夕方まで水族館を楽しんだ二人は、クラゲの大水槽のエリアにいた。真っ暗な中にライトアップされたクラゲがふわふわと漂う幻想的な空間だった。
昼間はたくさんいた親子連れはあらかた帰ってしまったようで今はもう蓮と真帆のようなカップルがちらほらいるだけである。
「クラゲが宇宙人?」
耳元で囁かれて、真帆は水槽に夢中になっているうちに、いつのまにか自分が蓮に後ろから包み込まれるよう抱かれていることに気がついた。
蓮の香りを強く感じてなんだか目眩がしそうだと思った。この世界に二人だけしかいないような、そんな幸せな錯覚をしてしまいそうになる。
「初めは、宇宙人と人間くらい差があるって思っていました。…蓮さんと私」
クラゲを見つめながら、真帆は静かに言った。不機嫌に睨むだけだった上司の彼と、こんな時間を過ごすことになるなんてあの頃は想像もできなかった。
結局夕方まで水族館を楽しんだ二人は、クラゲの大水槽のエリアにいた。真っ暗な中にライトアップされたクラゲがふわふわと漂う幻想的な空間だった。
昼間はたくさんいた親子連れはあらかた帰ってしまったようで今はもう蓮と真帆のようなカップルがちらほらいるだけである。
「クラゲが宇宙人?」
耳元で囁かれて、真帆は水槽に夢中になっているうちに、いつのまにか自分が蓮に後ろから包み込まれるよう抱かれていることに気がついた。
蓮の香りを強く感じてなんだか目眩がしそうだと思った。この世界に二人だけしかいないような、そんな幸せな錯覚をしてしまいそうになる。
「初めは、宇宙人と人間くらい差があるって思っていました。…蓮さんと私」
クラゲを見つめながら、真帆は静かに言った。不機嫌に睨むだけだった上司の彼と、こんな時間を過ごすことになるなんてあの頃は想像もできなかった。