お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「あぁ優秀だな、真帆の身体は。…ちゃんと昨日教えたことを覚えている」

 蓮の声音が艶めいて真帆の脳に甘く響く。呼吸が乱れて思考が霞んでゆく。

「…昨日の、おさらいする?」

 そして一段低い声で蓮が尋ねたときーームーンムーンとサイドテーブルの蓮の携帯が震えた。
 ぴたりと動きを止めて蓮がそちらを見る。真帆は助かったというように振り向いて蓮の身体を両手で押した。

「け、携帯、鳴ってますよ」

 蓮はため息をついて、それでも諦めたように携帯に手を伸ばした。そして画面を見ると「え、親父?」と呟いた。
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