お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
小夜子の話
この状況で母と話をする余裕はない真帆だったが和正の「出なさい」というプレッシャーに負ける形で真帆は電話をタップした。
「はい」
『真帆ちゃん?あぁ、ごめんね、大切な朝なのに』
いつもはおっとりと話す小夜子にしては少し焦っているような声が真帆の耳に飛び込んできた。
何かあったのだろうかと真帆は眉を寄せた。
「どうかしたの?」
『うん…そう、お母さんあなたに言わなくちゃいけないことがあって、急いで電話しちゃったんだけど…でもよく考えたら、帰ってきてからでもいいのかしら?…真帆ちゃん今日は帰る?』
明らかに動揺をしている小夜子を落ち着かせるように真帆はゆっくりと尋ねる。
「帰るけど、どうかしたの?」
『…』
「お母さん?」
それでもしばらくは沈黙していた小夜子だけれど、ややあって話し始めた。
『実は、昨日真帆ちゃんのお相手が藤堂家の方だって聞いてからお母さんなんだか不安になっちゃって…。驚かないで聞いてね、実はお母さんがお父さんと一緒になる前にお話が進んでいた縁談があったって話したことがあるでしょう?そのお相手が…藤堂家の方なのよ』
「はい」
『真帆ちゃん?あぁ、ごめんね、大切な朝なのに』
いつもはおっとりと話す小夜子にしては少し焦っているような声が真帆の耳に飛び込んできた。
何かあったのだろうかと真帆は眉を寄せた。
「どうかしたの?」
『うん…そう、お母さんあなたに言わなくちゃいけないことがあって、急いで電話しちゃったんだけど…でもよく考えたら、帰ってきてからでもいいのかしら?…真帆ちゃん今日は帰る?』
明らかに動揺をしている小夜子を落ち着かせるように真帆はゆっくりと尋ねる。
「帰るけど、どうかしたの?」
『…』
「お母さん?」
それでもしばらくは沈黙していた小夜子だけれど、ややあって話し始めた。
『実は、昨日真帆ちゃんのお相手が藤堂家の方だって聞いてからお母さんなんだか不安になっちゃって…。驚かないで聞いてね、実はお母さんがお父さんと一緒になる前にお話が進んでいた縁談があったって話したことがあるでしょう?そのお相手が…藤堂家の方なのよ』