お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
噂話と蓮
「今社内で副社長(あなた)が憂慮すべき噂は大きく分けて二種類存在します」
初夏とは言えないくらいに厳しい日差しが照りつける街を背にした蓮に一条が言う。蓮は黙って耳を傾けた。
「一つは主に女性社員の間のもので、副社長と入江さんがお付き合いをしているというならば、"許せない""どうせ遊ばれている"という類のものです」
蓮は眉を寄せて頷いた。
そもそも普段は社内の噂話など興味もない蓮が、一条に頼んで調べてもらったのは、この種の噂を偶然耳にしたからだ。
放っておいても害がないものかどうか判断がつかなくて一条に調べさせた。
「一番反発が強いのは他の役員の秘書室勤務の女性社員たちです。副社長秘書室勤務ではないものの自分たちが一番副社長に近いのだから、チャンスありと思っていたのでしょう。関連会社の社長のお嬢様方も多いですからね。"なんであんな子供が"と言って回ってる方もいるようです」
蓮は鼻を鳴らした。
バカバカしいの一言だ。
けれどそれでも真帆が侮辱されるのは我慢ならないとも思った。
初夏とは言えないくらいに厳しい日差しが照りつける街を背にした蓮に一条が言う。蓮は黙って耳を傾けた。
「一つは主に女性社員の間のもので、副社長と入江さんがお付き合いをしているというならば、"許せない""どうせ遊ばれている"という類のものです」
蓮は眉を寄せて頷いた。
そもそも普段は社内の噂話など興味もない蓮が、一条に頼んで調べてもらったのは、この種の噂を偶然耳にしたからだ。
放っておいても害がないものかどうか判断がつかなくて一条に調べさせた。
「一番反発が強いのは他の役員の秘書室勤務の女性社員たちです。副社長秘書室勤務ではないものの自分たちが一番副社長に近いのだから、チャンスありと思っていたのでしょう。関連会社の社長のお嬢様方も多いですからね。"なんであんな子供が"と言って回ってる方もいるようです」
蓮は鼻を鳴らした。
バカバカしいの一言だ。
けれどそれでも真帆が侮辱されるのは我慢ならないとも思った。